新月が近づくと、なぜか毎回のように体調が落ちる日があります。
いつもより布団から出るのが重くて、スマホを握ったまま天井を眺めてしまう朝。
仕事の内容はいつも通りなのに、集中しようとすると頭の中に霧がかかったみたいになる昼。
家に帰りついた瞬間に、ソファに沈み込んでそのまま動けなくなる夜。
そんな日が、新月のたびに繰り返されているなら、ここから先はあなたのための文章です。
結論から言うと、ぼくは新月の時は無理をしません。
科学的に白黒ついていなくても、自分の体が何度も教えてくれたリズムには、静かに従うことにしました。
この記事では、新月でちょっと弱くなるぼくの体験と、そこから組み直してきた守るための考え方と具体的な過ごし方をまとめていきます。
読み終わるころには、「またサボってしまった」と責める代わりに、「この時期はここまでにしておこう」と前もって決められるようになるはずです。
目次
新月で体調が崩れる少数派のぼくたちへ
新月の前後だけ、妙に調子が悪い。
頭では仕事を進めたいのに、体がどうしてもついてこない。
でもカレンダーには新月と小さく書いてあるだけで、締切はいつも通りやってくる。
こういうとき、多くの人は二つの選択肢しか持てていません。
ひとつは、気のせいだと言い聞かせて根性で押し切ること。
もうひとつは、全部を何かのせいにして、現実から目をそらすこと。
どちらも、長く続けるとかなりきついです。
前者は体を削るし、後者は自己嫌悪を積み上げてしまう。
ぼくは、どちらのやり方も一通り試しました。
そのうえで今は、「新月で体調が落ちる少数派として生きる」という、三つ目の選び方をして暮らしています。
それは、占いを盲信する生き方でもないし、気合で全部ねじ伏せる生き方でもありません。
ただ、自分の体のログをちゃんと見て、「このタイミングだけは、他の人と同じようには動けない」と認める生き方です。
もしあなたの中にも、言葉にできない違和感や、説明しきれないしんどさが残っているなら、ここから先の話を、自分のためのヒントとして拾っていってほしいです。
少数派だとしても、おかしいわけじゃない。
まずは、その前提から一緒に整えていきます。
「新月でしんどい少数派」という名前をつける
なぜ少数派とわざわざ言葉にするのか
人は、自分の状態に名前がつくだけで、少し呼吸が楽になることがあります。
ずっと「ただの怠け癖」だと思っていたものが、
実は体のリズムや特性に関係していたと知った瞬間、
それはただの欠点ではなく、付き合い方を工夫する対象に変わります。
新月で体調が崩れやすい人も、そうです。
多くの人は、新月で体調が落ちる感覚を持っていません。
あるいは持っていても、それほど強くは感じていません。
だから、「新月がしんどい」と口にすると、なんとなく浮いた気分になりやすい。
周りの時計と、自分の時計が、ほんの少しだけずれている。
このときに必要なのは、「気のせいだ」と自分を黙らせることではなく、
「少数派なんだな」と、自分の立ち位置を軽く言葉にしてしまうことです。
ぼくは心の中で、自分のことを新月でしんどい少数派と呼ぶようにしています。
それは、被害者ぶるための言葉ではありません。
ただ、「自分の仕様」を一言でまとめるためのタグです。
名前があると、「どう付き合うか」を考えやすくなります。
「少数派としてどう生きるか」という視点に立てるからです。
多数派のリズムに合わせて壊れかけた日のこと
ぼくがこのタグを受け入れようと決めたのは、とある新月の週でした。
その頃のぼくは、毎日のように予定を詰め込んでいました。
朝はギリギリに起きて、コンビニのコーヒーを片手に電車に飛び乗る。
昼はパソコンの前からほとんど動かず、夜は終電近くまで作業して、そのまま倒れ込むように眠る。
そんな生活の中で、新月の週だけはいつもと違う感覚がありました。
体がずっと重くて、頭が霞がかったまま戻らない。
小さなミスが連続して、普段ならしないようなケアレスミスを繰り返してしまう。
それでも当時のぼくは、「気合でなんとかなる」と信じていました。
新月だろうが何だろうが、締切は待ってくれないし、周りも普通に働いている。
自分だけしんどいと言うのは、甘えだと思っていました。
結果的にどうなったかと言うと、ある日の夜、完全に電池が切れました。
パソコンの画面を見つめたまま、カーソルだけが点滅している。
指が動かなくて、文章が一文字も出てこない。
少しでも進めたいのに、頭の中は真っ白で、そこにあるのは「間に合わない」という焦りだけ。
そのまま椅子から立ち上がれなくなって、しばらく天井を見ていました。
あのときの静けさを、ぼくはあまり良い思い出としては覚えていません。
さすがにこれはおかしいと思って、後からカレンダーを見返してみたら、
その週はきれいに新月と重なっていました。
しかも、同じような状態になっていた日を遡ると、何度も新月周辺にマーカーが重なっていた。
そこでようやく、ぼくは自分の中でこう認めました。
このタイミングだけは、多数派と同じスピードで走れないんだな。
月のせいと言い切らなくていいグレーゾーンの居場所
ここまで読んで、こんなふうに感じているかもしれません。
月のせいにしてしまっていいのか。
科学的に証明されていないものを拠り所にして、いいのか。
その迷いは、とてもまっとうです。
ぼくも同じところで長く足を止めていました。
ただ、ひとつだけ確かなのは、体がしんどいという事実です。
その事実に、理由を一つだけ当てはめようとするから、苦しくなります。
全部を月のせいにする必要はありません。
かといって、全部を気のせいだと片づけなくてもいい。
ぼくは、こんなふうに考えるようにしました。
新月は、体調が崩れやすいタイミングのひとつの目印にする。
それだけです。
そのタイミングで、眠りが浅かったのかもしれない。
ホルモンバランスの波と重なったのかもしれない。
前の週の疲れが、たまたまそこに集中的に出ただけかもしれない。
理由はいくつも重なっていて、そのひとつとして月のリズムがあるかもしれない。
そのくらいの距離感で、月というラベルを扱っています。
白か黒かを決めるのではなく、グレーのまま「ここは無理しないゾーン」としてカレンダーに囲っておく。
それが、ぼくにとってのちょうど良い居場所でした。
新月と体調の関係は、白黒つけずに扱う
研究が示していること、まだ分かっていないこと
月と体調の関係については、いろいろな説があります。
統計的には、「はっきりした強い影響は見つかっていない」という結論が多いです。
大規模なデータを見ても、新月だけが極端に体調不良を増やしている、という結果はほとんど出ていません。
一方で、睡眠の長さや深さが月の満ち欠けとゆるく同期しているかもしれない、という報告もあります。
満月前後は眠りが浅くなったり、寝付きにくくなったりしやすいという話です。
新月については、満月ほど派手な結果は出ていないものの、人によっては眠りやすくなったり、逆にだるさが出たりと、ばらつきが大きい領域になっています。
要するに、万人に当てはまる強いルールはまだ見つかっていない。
それが、今のところの全体像です。
ここで大事なのは、「全体としての傾向」と、「個人としての感覚」は別物だということです。
全体としては弱い傾向でも、
特定の人にとっては、かなりはっきりした波として感じられることがあります。
例えば、低気圧による頭痛もそうです。
ほとんど気にならない人もいれば、天気予報より先に頭痛で気づく人もいる。
月についても、似たような可能性があります。
平均値では目立たないけれど、一部の人にとっては無視できない波になっている。
ぼくは、自分がその「一部」に入っているのだと受け止めるようになりました。
敏感な人ほど、波を拾いやすい理由
新月で体調が崩れやすい人は、たいてい日常の細かい変化にも敏感です。
ちょっとした照明の明るさの違い。
いつもより少しだけ大きい物音。
誰かのちょっとした表情の変化。
そういうものを、無意識のうちに拾ってしまう。
敏感さは、悪いことばかりではありません。
感受性が高いからこそ、作品や音楽や言葉に深く震えられる。
人の気持ちを汲み取って、先回りして動くことができる。
ただ、その分だけ、外側のリズムや環境の変化の影響も受けやすくなります。
月の光の変化や、夜の静けさの違い。
新月前後に崩れやすくなる睡眠のリズム。
他の人は気づかないくらいのゆらぎを、体がちゃんと拾ってしまう。
だからぼくは、「敏感である」という性質と、「新月で体調が崩れやすい」という現象を、セットで扱うようにしています。
どちらも、消すものではなく、扱い方を工夫するもの。
鈍感になれたら楽なのにと嘆くのではなく、
敏感なままでも折れない設計を考えるほうに、頭を使うようにしています。
証明できないものは全部切り捨てるべきか
ここまで読んで、「でも証明されていないものを前提にするのは怖い」と感じる人もいると思います。
その感覚も、とても分かります。
ぼく自身、白黒ついた情報が好きですし、根拠のない話に人生を振り回されたくはありません。
ただ、日常の選択は、いつも完璧な証拠が揃ってから行うわけではないはずです。
「この人と一緒にいて落ち着くから、また会おうと思う」
「なんとなく今日は、家で静かに過ごしたほうが良さそうだと感じる」
こういう選択は、すべて数値化されているわけではありません。
それでも、ちゃんと人生を支えてくれている決定です。
新月についても、ぼくは同じように扱いたいと思っています。
科学的に完全に証明された事実としてではなく、
自分の体のログを読み解くときの、ひとつの手がかりとして。
完全に信じ込む必要もないし、完全に切り捨てる必要もない。
その中間で、「目印」としてだけ使う。
そのくらいの距離感なら、日常を壊さずに、自分を守るために使えるはずです。
新月のせいだけにしないためのチェックリスト
ここからは少し、具体的な話をします。
新月でしんどくなる感覚があっても、すべてをそれだけのせいにしてしまうのは危険です。
中には、別の要因が隠れていることもあります。
そこでまずは、「新月の波」と「別の理由が疑われるサイン」を、ざっくり分けるためのチェックを置きます。
新月前後に出やすい不調のパターン
新月周辺で、よく聞く不調にはこんなものがあります。
- いつもより眠気が強く、いくら寝てもだるさが残る
- 頭がぼんやりして、集中しづらい
- やる気が出にくく、何をするにも腰が重く感じる
- なんとなく気分が沈みやすくなる
- 人と話すのがいつもより負担に感じる
- 軽い頭痛や肩こり、体の重さがいつもより気になる
これらは、睡眠の質の変化や、日々の疲れ、ホルモン、天気などが複雑に絡み合って出ているものです。
そこに、新月というタイミングが重なることで、「いつも同じ時期にしんどくなる」という印象が強くなっていきます。
大事なのは、この不調が新月にしか出ないのか、ほかのタイミングにも出ているのかです。
新月だけでなく、忙しい週や低気圧の日にも同じような状態が出ているなら、
新月はあくまで「しんどさが出やすい一つの条件」に過ぎないかもしれません。
逆に、生活習慣が整っている時期でも、新月だけは毎回きれいにしんどくなるなら、
あなたの体は、月のリズムを比較的強く拾っているのかもしれません。
受診を考えたほうがいいサイン
一方で、次のような場合は、月のリズムだけで説明しようとしないほうが安全です。
- 強い動悸や息苦しさが繰り返し出ている
- 立ち上がっただけで目の前が真っ暗になるようなめまいがある
- 胸の痛みや、今までにない激しい頭痛がある
- 日常のほとんどの時間を、不安や絶望感が占めている
- 食事がほとんど取れない、またはほとんど眠れない状態が続いている
こうしたサインは、体や心からの「助けを呼ぶ信号」の可能性があります。
新月とタイミングが重なっていても、「月のせいにして様子見」だけで済ませないほうが良いことも多いです。
心配なときは、かかりつけや相談しやすい場所で、一度状況を伝えてみてほしいです。
そのうえで、「新月の前後にいつもしんどくなる」という話も、遠慮なく添えてみてください。
あなたの体を守ることが、いちばん大事です。
月の話は、その次でかまいません。
生活の波とのざっくりした切り分け方
新月の影響と、ほかの要因をざっくり切り分けるには、「重なり方」を見るのが一番シンプルです。
例えば、こんなふうに振り返ってみます。
- 周期的な不調と、どのくらい重なっているか
- 忙しい時期や大きな仕事の後と、どのくらい重なっているか
- 睡眠時間が短い日や夜更かしした翌日と、どのくらい重なっているか
もし新月だけでなく、こうした条件が複数重なっている日ほどしんどくなっているなら、
新月は「しんどさが噴き出しやすいトリガーの一つ」として見ておくと良さそうです。
どちらにしても、ここでの目的は「完璧に分析すること」ではなく、
大まかな傾向をつかんで、対策を考えやすくすることです。
そのために、次のチェック表を用意しました。
あなたはどのタイプかを知る、新月敏感度チェック
ここでは、自分がどれくらい新月に影響を受けやすいのか、ざっくり把握するためのチェックを置いておきます。
気になる項目の数を、なんとなく数えてみてください。
新月敏感度チェック表
| チェック項目 | 当てはまるかどうか |
|---|---|
| ここ半年、新月前後3日以内に、だるさや眠気が3回以上あった | |
| 新月の週だけ、朝布団から出るのがいつもよりつらい日が続く | |
| 新月前後は、仕事や作業で小さなミスが増えやすい | |
| 新月のタイミングで、人と会う予定を入れると、終わったあとにぐったりして動けなくなる | |
| 過去の手帳を振り返ると、「何もしたくなかった日」が新月と重なることが多い | |
| 新月のたびに「今日も何もできなかった」と感じて、自己嫌悪になりやすい | |
| 低気圧や忙しさと新月が重なると、普段の倍くらい消耗している感覚がある |
ざっくりした目安ですが、
- 3個以下:観察ゾーン
- 4〜6個:敏感ゾーン
- 7個以上:かなり敏感なゾーン
こんなイメージで捉えてみてください。
敏感ゾーン以上に入っていると感じたなら、新月前後の動き方を、意識的に変えていったほうが楽になります。
観察ゾーンの人も、「ちょっと意識してメモを取り始めてみる」くらいから始めてみると、自分のリズムが見えやすくなります。
ここまでで、「新月の波をざっくり捉える下敷き」ができました。
次は、この波とどう付き合うかについて、3つのスタイルを並べてみます。
3つの向き合い方を比べてみる
新月で体調が落ちやすいときの向き合い方は、大きく分けて三つあります。
- 無視して、いつも通り走り続ける
- すべてを月のせいにする
- リズムとして前提に組み込む
それぞれの特徴を、表にしてみます。
向き合い方の比較表
| 向き合い方 | 体調の守りやすさ | 自分への感情 | 周りとの関係 | 将来的なリスク | 今日からの始めやすさ |
|---|---|---|---|---|---|
| 無視して走り続ける | 一時的には高い成果を出しやすいが、反動で大きく崩れやすい | 調子が良い間は誇らしいが、崩れたときに強い自己嫌悪が出やすい | 周りからは頑張っている人と見られやすいが、突然のダウンで迷惑をかけることもある | 燃え尽きや長期的な不調のリスクが高い | 何も変えずに済むので、今すぐは一番簡単 |
| すべてを月のせいにする | 一見守れているように見えるが、他の要因の見落としが増える | 楽な反面、「自分では何も変えられない」という無力感が残りやすい | 説明が曖昧になり、理解されにくいことがある | 本来必要なケアや相談のタイミングを逃しやすい | 口では一番取り入れやすいが、現実があまり変わらないことも多い |
| リズムとして前提に組み込む | 無理する日と休む日を分けることで、全体としては守りやすい | 「このタイミングだけは弱くていい」と、自己肯定が少しずつ戻ってくる | 前もって共有すれば、予定調整もしやすくなる | 早めにブレーキを踏める分、大きな崩れを防ぎやすい | カレンダーを見ながら、少しずつ習慣を変えていく形で始められる |
ぼくが選んだのは、3つ目の「リズムとして前提に組み込む」です。
新月で体調が崩れやすい事実を認めたうえで、
その時期だけは、他の人と同じペースを手放す。
代わりに、「この時期はここまで」というラインを決めておく。
それは、弱さを認めて終わるための選択ではなく、
弱さごと長く生きるための設計です。
新月の記録をつけると見えてくる、自分だけのパターン
ここからは、もう一歩だけ踏み込んだ話をします。
新月で体調が落ちる感覚があるなら、記録を残すことが、かなり強い味方になります。
難しい分析は要りません。
ゆるいメモで十分です。
3行ログでいいから、とにかく残す
おすすめは、新月前後の数日だけでいいので、三行ログをつけることです。
例えば、寝る前にこんな感じで書きます。
- 一行目:その日の体の様子
例 頭が重い、眠気が強い、普通、など - 二行目:心の様子
例 何となく不安、やる気ゼロだけど焦っている、など - 三行目:その日の出来事で印象に残っていること
例 残業が長引いた、外出が多かった、天気が荒れていた、など
一日三行なら、数分で終わります。
大事なのは、「きれいに書こうとしないこと」です。
あとから自分が読めれば、それで十分です。
振り返るのは、一か月に一度でいい
ログは、つけた瞬間に何かが変わるわけではありません。
本番は、数週間後です。
次の新月が近づいてきたタイミングで、
前回と前々回の三行ログを、ざっと眺めてみてください。
すると、
- 眠気が強くなった日は、だいたい同じ時刻まで起きている
- 気分が沈んでいる日は、外に出る予定が詰まっている
- 新月前の二日間は、そもそも予定が多すぎる
そんな共通点が、なんとなく見えてきます。
この「なんとなく」が、すごく大事です。
完璧に分析しようとすると、
エクセルを開いてグラフを作りたくなって、
その時点で面倒になってやめたくなります。
そうではなくて、
「こういう条件が重なると、ぼくは落ちやすいのかもしれないな」
くらいのふんわりした気づきで止めておきます。
そのくらいが、日常に持ち込める現実的なサイズです。
自分責めに使わないための読み方
注意したいのは、このログを自分を責める材料にしないことです。
例えば、
「毎回ちゃんと準備していないから、また新月で倒れている」
みたいな読み方をすると、ログはたちまち自分攻撃の武器に変わってしまいます。
そうではなくて、
「この条件が重なっているときは、誰でもしんどくなるよな」
「それでもここまでは動けていた自分、よくやったな」
そんなふうに、第三者の目で、自分の生活を眺める感覚を持ってみてください。
ログは、裁判の証拠ではなく、味方のメモです。
責任を追及するためではなく、次の新月で少し楽をするためにだけ使う。
その姿勢さえ忘れなければ、ログはとても優しい道具になってくれます。
次の新月から試す「無理しない設計」の具体例
ここからは、ぼくが実際にやっている工夫をいくつか紹介します。
全部を一気に取り入れる必要はありません。
気になったものを一つだけ拾ってもらえたら、それで十分です。
カレンダーに新月ゾーンをマークする
まず、一番シンプルで効果が大きかったのは、カレンダーに新月をマークすることでした。
手帳でもスマホでも、どちらでもかまいません。
新月当日と、その前後一日ずつ、合計3日間ほどを新月ゾーンとして囲んでおきます。
そのうえで、次のルールを自分の中で決めました。
- 新月ゾーンには、新しいことを始める予定を入れない
- 重要な交渉や、体力を大きく使う予定をできるだけ避ける
- どうしても外せない用事がある場合は、その前後の日に休息を増やす
この三つだけです。
カレンダーを見ながら予定を入れるとき、
「この日は新月ゾーンかどうか」を一瞬思い出すだけでも、
体への負担はかなり変わります。
もし、すでに予定が詰まってしまっている場合は、
ゾーン内のどこか一日だけでも、「予定を一つ減らす日」として確保してみてください。
一日だけでも、呼吸できるスペースが生まれます。
仕事や家事の最低限ラインを先に決めておく
次に大事なのが、「新月ゾーンの最低限」を決めておくことです。
いつも通り全部こなそうとすると、体が悲鳴を上げます。
かといって、全部を投げ出すと、後で自分を責める材料が増えてしまう。
そこで、ぼくは次のように考えるようにしました。
- 今日、このゾーンで絶対にやるべきことは何か
- 今日、やらなくても数日後に巻き取れることは何か
- 今日、やらないほうがいいことは何か
例えば、仕事であれば、
- どうしても今日中に返さないといけない連絡だけはやる
- 集中力が必要な作業は、できるだけ別の日に回す
- 新しいアイデア出しや長時間の会議は、このゾーンから外すように相談しておく
家の中のことなら、
- 食事はレトルトやテイクアウトを前提にして、「作らない日」があっていいと決める
- 掃除は目に入るところだけ軽く整えれば合格ラインにする
- 片付けは翌週に回してしまう
そんなふうに、「この時期だけのルール」を先に作っておきます。
これは、怠けるためのルールではありません。
限られたエネルギーを、いちばん大事なところにだけ使うためのルールです。
新月の夜だけの「自分のための過ごし方」を作る
最後に、ぼくがとても気に入っているのが、「新月の夜のテンプレ」を作ることです。
例えば、こんな形です。
- 夕方以降は、できるだけ予定を入れない
- 好きな飲み物を一つだけ用意しておく
- 照明を少し落として、スマホを遠くに置く時間を作る
- その月のしんどかったこと、うれしかったことを、三行ずつメモしてみる
ポイントは、「がんばって自己分析をする場」にしないことです。
うまくできなくてもいい。
気づきが出なくてもいい。
ただ、「今日は新月だから、ここまででいい」と区切りをつける儀式のようなものを、
ゆるく持っておく。
それだけでも、体と心には「今日は早めに終わっていい日なんだ」という合図になります。
もし迷ったら、今度の新月は一時間だけ早く一日を終える日にしてみてください。
それだけでも、翌日の体の重さが、少しだけ変わっているかもしれません。
よくある疑問への答え
ここまで読んできて、まだ心の中に残っている問いがあるかもしれません。
いくつか、多くの人が抱きやすい疑問を、先に言葉にしてみます。
新月だけじゃなくて、ほかのタイミングでもしんどいときはどう考えればいいですか
新月だけでなく、忙しい週や天気の悪い日、周期的なタイミングなど、
いろいろな要因でしんどさが出ることはごく普通です。
その場合は、「新月だけ特別」と考えるよりも、
しんどさが出やすい条件がいくつかあると捉えたほうが現実的です。
新月は、その中のひとつの目印に過ぎません。
カレンダーに、しんどかった日を丸で囲んでみてください。
新月以外にも、いくつか似たポイントが浮かび上がってくるはずです。
それを見ながら、「どの条件が重なると特にきついのか」を、
少しずつ見つけていければ十分だと思います。
新月がしんどいと話すと、変な目で見られそうで怖いです
たしかに、「月のせいで」といきなり言うと、伝わりにくいことがあります。
そんなときは、新月だからという言葉をそのまま出さなくてもかまいません。
例えば、
- 夜眠りが浅い日が続いていて、今週は少し体力が落ちている
- 月に一回くらい、どうしても体調が不安定になるタイミングがある
そんなふうに、「体の状態」として伝えてみてください。
そのうえで、自分の中だけで「このタイミングは新月と重なっているな」と把握しておけば十分です。
理解してくれる人にだけ、もう少し踏み込んだ話をしていく。
そのくらいの距離感が、心地良く感じる人も多いはずです。
新月を意識し始めてから、逆にしんどさを感じやすくなった気がします
意識が向くことで、しんどさを拾いやすくなることは、たしかにあります。
ただ、それは悪いこととは限りません。
大事なのは、「意識することで、行動をどう変えるか」です。
新月だからしんどいはずだと自分を追い詰める材料にしてしまうと、
ただ苦しみが増えてしまいます。
一方で、「新月が近いから、今回は予定を少し軽めにしておこう」と、
先にブレーキをかけるために使うなら、意識すること自体が助けになります。
意識を向ける方向を、「責めるため」ではなく、「守るため」に変える。
それだけでも、だいぶ感覚は違ってくるはずです。
新月と周期的な不調がよく重なります。どこまで気にしていいですか
周期的な不調と新月が重なると、しんどさはどうしても増えます。
それ自体は、おかしなことではありません。
こういうときは、新月かどうかよりも、
トータルでどのくらい消耗しているかを基準にしてみてください。
例えば、
- 今回は、周期的な不調と新月と、仕事のピークが全部重なっている
- だから、どこか一つは意図的に軽くする必要がある
そんなふうに、重なり具合を見ながら、「どこを削るか」を考えます。
新月は、その判断をしやすくするための、一つのサインに過ぎません。
いつ頃まで様子を見て、どのタイミングで相談したほうがいいですか
目安として、
- 新月以外のタイミングにも、ほぼ毎日のように強いしんどさが続く
- 数週間から数カ月にわたって、生活に大きな支障が出ている
こうした状態が続いているなら、新月かどうかに関係なく、
一度専門の人に相談したほうが安心です。
一方で、「新月前後だけ、数日間しんどさが強まる」という程度であれば、
この記事で紹介したようなやり方を試しながら、自分のログを取りつつ様子を見るのも一つの方法です。
どちらを選ぶにしても、「我慢比べ」だけはしなくていい。
そこだけは、強く伝えておきたいところです。
最後にもう一度、「新月はちょっと弱くていい」と決める
ここまで、かなりたくさんの話をしました。
新月と体調のあいだに、はっきりしたルールは見つかっていないこと。
それでも、一部の人にとっては、たしかに無視できない波として感じられていること。
無視し続ける生き方と、全部を何かのせいにする生き方のどちらでもない、三つ目の選択肢があること。
そして、具体的な工夫として、
- カレンダーに新月ゾーンをマークすること
- そのゾーンだけの最低限ラインを決めておくこと
- 新月の夜の「終わり方」のテンプレを持っておくこと
- 新月前後の三行ログを残して、自分だけのパターンを見つけていくこと
こうした小さな変化を積み重ねていけることを、話してきました。
大事なのは、「多数派と同じリズムで動けない自分」を、責め続けないことです。
世界には、いろいろな時計があります。
朝型と夜型がいるように、
波の大きな人と、小さな人がいるように。
新月でちょっと弱くなるというのも、そのひとつの時計に過ぎません。
その時計を壊すのではなく、
その時計のまま暮らせるように、生活のほうを少しずつ調整していく。
それが、この文章でぼくがいちばん伝えたかったことです。
最後に、選ぶ基準をもう一度、短くまとめておきます。
- 体と心を長く守りたいなら、「無視して走り続ける」より「ゾーンを決めてブレーキを踏む」ほうを選ぶ
- 自分を責める気持ちが強いなら、「全部自分のせい」ではなく「いくつかの条件が重なった結果」と捉え直す
- 新月でしんどさがはっきり出るなら、「この時期だけは弱くていい」と前もって認めておく
- しんどさが日常全体を覆い始めたら、「月のせいかどうか」にこだわらず、早めに誰かに相談する
もし今、次の新月が少し怖く感じているなら、
まずはカレンダーを開いて、前後三日間に薄く色をつけてみてください。
そこは、「無理をしないでいい日」として予約されている場所です。
ぼくたちはそこで、少しだけ早く一日を終えていい。
少しだけ弱い自分のままで、静かに呼吸を整えていていい。
そんなふうに、自分を守る側に立てる人が、少しでも増えていくといいなと思っています。




